子宮頸がん予防HPVワクチン接種を娘にするか問題


現在、うちの娘は小学校高学年。わが家の自治体でも12歳~16歳に子宮頸がん予防HPVワクチン接種が無料で受けられるので今のうちから検討しようと色々調べてみました。

まずは、HPVワクチン接種のメリット、デメリットだろ?と思って調べていると、厚労省は女性の100人に1人は子宮頸がんになり、年間2700人が死亡しているとしてる。子宮頸がん予防ワクチンは世界保健機関(WHO)が接種を推奨し、多くの先進国では公的接種とされていますが、日本では予防ワクチン接種は積極的に勧めていない。はて?なぜ?

厚生労働省 ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)

子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ

ヒトパピローマウイルス感染症(HPV)予防ワクチンは、平成25年4月より予防接種法に基づく定期予防接種となったが、ワクチンの接種後に持続的な痛み等の特異的な副反応が現れる場合があり、ワクチンとの因果関係を否定できないことから、平成25年6月14日付で厚生労働省から適切な情報提供ができるまでの間、積極的な接種の勧奨を控えることが通達されている。

これは私見だが、恐らくは子宮頸がんの罹患率は1%でなのにリスクは取れないということだろう。でも、重篤な副作用の可能性は0.0001%以下である。これなら受けたほうがいいんじゃないかと思いつつ、自治体のパンフレットを見ていたら、過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方は医師との相談の上、HPVワクチン接種を行うように書いてあったので、一応もう少しHPVワクチンや子宮がんについても知見を深めてから決めようかなと思って調べました。

お子さんがこれから無料のHPVワクチン接種の対象になる方やHPVワクチンや子宮がんについてちょっと気になる方、実は男性にも関係していたので、多くの方の参考になればうれしいです!

HPVワクチン接種を受けないと罹患者数・死亡数が増加


女性の子宮頸がんは乳がんに次いで多い

子宮頸がんの日本の年間の罹患数は約1万1,000例、年間死亡者数は約3,000人とされており、女性特有のがんの中では乳がんに次いで多い。罹患年齢は20代にも広がるなど若年化が進んでおり、20代から30代の女性では、罹患率はすべてのがんの中で第1位になっている。

定期的に子宮頸がん検診を受けていれば、がんになる前の状態で発見することが可能だが、日本で検診を受けている人の割合は約40%と低い。欧米諸国では70%~80%に上り、日本の女性の受診率の低さは際立っている。

そして、子宮頸がん予防HPVワクチン接種はなんと!日本は0.6%で欧米諸国では70%~80%と愕然の結果が、諸外国で普通にHPVワクチン接種が受けられているのに、日本はなんと低いことか。

2020年2月、北海道大学大学院医学研究院の研究グループは,日本での子宮頸がん予防HPVワクチンの「積極的勧奨の中止」による影響を定量化し、ワクチンの「積極的勧奨の中止」を行わなかった場合に、子宮頸がんへの罹患を防ぐことができたと予想できる患者数と、そのために失われた命について具体的な数字を推定しました。

子宮頸がん予防HPVワクチンの影響を定量化

●子宮頸がん予防HPVワクチン接種の「積極的勧奨の中止」によって罹患者数・死亡数が増加。
●12歳~20歳の女性の接種率を2020年中に50~70%に回復できた場合、子宮頸がん超過死亡の80%が救命可能と推定。
●ワクチンの接種率だけではなく検診受診率も上昇しない限り今世紀中の子宮頸がん根絶は困難と推定。

「積極的勧奨の中止」の長期化で積極的勧奨が再開されずに、接種率が現在と同じ1%未満であれば、現在12歳の女性だけにおいても、一生涯のうちに3,400人~3,800人が子宮頸がんとなり、700人~800人が死亡すると推定されています。

一方、直ちに積極的勧奨が開始され、9価ワクチンの承認がなされ、12歳から20歳の女性の接種率を今年中(2020年)に50%~70%に回復できた場合、子宮頸がんの超過的死亡数の80%の命を救うことができると推定されるという何とも希望が持てる結果である。

北海道大学プレスリリース

12歳女児全員に対して子宮頸がんワクチンを接種した場合、社会的損失を190億円抑制する

自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科がまとめたHPVワクチンによる子宮頸がん予防をまとめたものによると、12歳の女性全員に対してHPVワクチンを接種した場合、ワクチン接種費用(36,000円)を全額公費負担したとしても、190億円の社会損失の抑制効果があるとしている。医療費は34.1%抑えられ、労働損失は72.6%抑えられる結果となった。

結構これは大きい気がする。特に働き盛りになる20-40歳代の女性の労働損失もこれからの時代は考えるべきところだろう。

世界標準の子宮頸がん予防対策 なぜ日本だけが遅れるのか

HPVワクチンはほんとに効果があるか?


HPVワクチンの狙いは「20~30代に多い子宮頸がん」のウイルス、できれば9価ワクチンがベスト!

厚生労働省のHPVワクチンのページからリーフレットを見ていくと子宮頸がん全体の50~70%くらいしか予防できないと書いてあるので、あんまりメリット大きくないのか?と思ったらそんなことありませんでした。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は身近にありふれたウイルスで、100タイプ以上の型があって、各種のがんを引き起こすハイリスク型と言われるHPVは約15種類。子宮頸がんの原因になるのは16型と18型が多くて、日本では子宮頸がん全体の70%くらいを占めるとされている。

そして、20代30代の若い女性の子宮頸がんに限ってみると、16型と18型によるものが80~90%に跳ね上がり、ほかの型に比べて、16型18型はがんに進行するスピードが早いという特徴があります。

つまり、子宮頸がんの多くは20~40代で罹患していて、そのほとんどの原因となっている16型と18型の感染を防ごうというのがHPVワクチンということらしい。

全年代でならすと、HPVワクチンで予防できる16型18型の割合は50~70%くらいだけど、若い世代の子宮頸がんを予防するという意味では、それよりも高い効果が見込めるってこと、そして、9価ワクチンは子宮頸がんのほとんどの原因をカバーできて、90%以上を予防すると考えられている。

今は2価ワクチン、4価ワクチンしか接種できないからわかりずらくなってるけど、9価ワクチンが承認されればこれでOKて感じですね。

看護rooサイトに超詳しく記されているので是非見てください。

HPVワクチンの種類
看護rooより転載

HPVワクチンは安全?危ない?結局どっちなのか


あとはやっぱりみんなが気になる子宮頸がん予防ワクチンンの副反応(副作用)ですよね。厚生労働省のリーフレットでは下記の副反応(副作用)が示されています。

HPVワクチンンの副反応(副作用)
厚生労働省HPVワクチンサイトより

このリーフレットをみるとワクチンを打った1000人中1人弱くらいの割合で副反応が疑われる症状が起きて、そのうち半分ちょっとが重い症状だった、ということになります。

でも、それは単純に危険を意味するのではなくて、現場の医師たちに「とにかく報告しておこう」という意識が働いたという側面が大きいらしい。

ワクチンの導入直後は一応報告しておこうと、どの薬やワクチンでも同様のことが起こると。そして、ワクチンとの因果関係があるわけではないからめんどくさい。一応、『HPVワクチン打ったあとにこんなことがありました』って報告なんだって。

うーーーん結局どうなの?

国の全国疫学調査では「HPVワクチンを接種した人も、接種していない人も、同じような症状は起きる」でした。

WHOのHPVワクチンの安全性をレビューでも「安全性に懸念を示すデータはない」と結論づけられています。

私の結論は「HPVワクチンを接種するリスクは他のワクチン接種と大差ない」です

HPVワクチン接種(9価)+子宮頸がん検診が最強


子宮頸がんは「がんにならずにすむ病気」

日本のHPVワクチンの接種率はかなり低いが、それを問題視している民間の動きが活発化しているので少し紹介したい。

「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」は「一般社団法人 HPVについての情報を広く発信する会」が運営しており、全ての日本国民にヒトパピローマウイルス(HPV)感染症に関する正確な知識を伝えること、科学的な根拠に基づきHPVワクチンの有効性と安全性について啓発することで、日本国民の健康増進に寄与することをミッションとして活動しており、現在クラウドファンディングも行っている。子宮頸がんやHPVワクチンについてかなり詳しく多くの記事があるので是非見てもらいたい。

あのホリエモンが理事を務める一般社団法人 予防医療普及協会も子宮頸がんワクチン接種や子宮頸がん検診の重要性を啓発している。こちらでは終了してしまったが、自宅で簡単にできる「HPV検査キット」でことからはじめるプロジェクトや啓蒙活動も行っている。

「みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」でも詳しく書かれているが、一次予防としてのHPVワクチン接種、二次予防としての子宮頸がん検診これが最強の組み合わせ。子宮頸がんは「がんにならずにすむ病気」なのです。

HPVワクチン接種で子宮頸がん発症のリスクを大きく減らせることは確かですが、残念ながら100%予防できるわけではないため、「早期発見」への工夫を組み合わせることが大事になってきます。

HPVワクチンは、4価のものではハイリスクHPVの60-70%、9価のものでは90%程度(日本人の場合)の感染を予防すると考えられており、非常に有効な予防手段で、ワクチン接種に加え、子宮頸がん検診で「前がん病変」を早期に見つけることで子宮頸がんは「がんにならずにすむ病気」となる。

ワクチンは定期接種の対象年齢であれば無料ですし、その後の子宮頸がん検診も、無料または一部の自己負担のみで受けることができます。日本ではきちんと情報さえ知っておけば、「ワクチンから検診までほとんどが無料で受けられる」状況であるにもかかわらず、この恩恵を受けていない人が大半なのはちょっと残念な気がする。

男性もHPVワクチン接種があたりまえ


因みに大人はどうすればいいの?

因みに大人は、今までの研究の結果から、HPVワクチンは26歳以下のすべての女性に薦められていますが、27歳から45歳の女性は医師に相談の上で接種をするかを決めることが推奨されている。

27〜45歳の女性では、HPV16、18型に関連した子宮頸がんの前がん病変に対するHPVワクチンによる予防効果は証明されていますが、年齢が高くなるほどワクチンで防げるHPVの型にすでに感染している可能性が高まるため、27歳から45歳でHPVワクチンを接種していない人は、医師との相談の上で接種を検討することが勧められています。

子宮頸がんの大半は20~40代のため、日本では46歳以上の方の接種は推奨しないとされています。

男性にも起こる様々な病気の予防が期待できる

実は、子宮頸がん以外にも、HPVは中咽頭がんや肛門がん、陰茎がんなど、男女問わず様々ながんの原因にもなるということは、知らない人も多いのではないでしょうか。

特に男性に多い中咽頭がんは重要で、アメリカではHPVが原因となるがんのうち、男性の中咽頭がん(年間12,638人)は女性の子宮頸がん(年間11,771人)よりも多いという報告があります。

CDC- Human Papillomavirus–Associated Cancers — United States, 2008–2012

他にも、男女両方の性器にできるイボも、HPVが原因であることがわかっています。これはローリスクHPVによって起こる性感染症で、痛みやかゆみが症状です。こちらは4価と9価のHPVワクチンが予防に有効です。

海外では、男女ともに接種している国が数多くあり、オーストラリア、アメリカなどでは男女ともに定期接種となっています。

まとめ

  1. HPVワクチンは子宮頸がんの死亡数を減少させる
  2. HPVワクチンは20~30代の高リスク期に効果が高い
  3. HPVワクチン9価ワクチンなら90%以上を予防できる
  4. ワクチン接種+定期検診で子宮頸がんは予防できる
  5. 男性にもHPVワクチン接種が有効な病気がある

日本ではまだ男性には未承認なので、現時点で息子のHPVワクチン接種は考えていませんが、将来接種できるようになったら考えたいと思います。

わが娘には9価のHPVワクチンの承認を待って基本は接種を考える。

承認されなくても、4価ワクチンでできれば接種してもらいたい。娘にもよく相談してから決めたいと思います。

HPVワクチン接種がその子の将来を左右するかもしれません。未成年の時期のワクチン接種は親が決めることですので、とっても難しい問題ですよね。でも、大切な家族の将来ですから、是非いろいろ調べてよく話して決断してください。

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